【虹がうまれた】~私の小さなストーリー~
原案
(絵本仮題名)「こはなちゃんと虹の花」 ストーリー作家 のり
#3
お日さまにもらったぽかぽかの気持ちを抱きながら
黄緑色の草原の一本道を歩いていくと
風に乗って何かが聞こえてきました。
♪♪ ふわりゆられてふわふわり~
ゆらりゆられてほわほわり~ ♪♪
その心地良いメロディーに向かって
歩いていくと青い青いお花畑がありました。
その歌はどこからだろうと辺りを見回すと
こはなちゃんは、双子のお花に出会いました。
にこにこ笑顔で双子のお花は歌って踊る。
風を身にまとい、揺れる様子にうっとりするこはなちゃん。
「わたしは、ふわり。
透き通る声で歌うのが自慢なの!」
「わたしは、ほわり。
ねえ、歌に合わせて踊るわたし、素敵でしょ?」
笑顔が可愛いふわりとほわりは、とてもそっくり。
花びらの色が青色と藍色のほんの少しの違い以外は
ほとんど見分けがつかないくらい。
ふわりとほわりは、こはなちゃんに言います。
ふわり「ねえねえ、あなたに聞いてほしいの。わたしの歌。」
ほわり「違うわ、わたしの踊りを見てほしいのよ」
こはなちゃんにぐぐいっと詰め寄る2人。
ふわりとほわり、2人の歌とダンスはとても素敵なのに
なんだか2人は喧嘩しているみたい。
ふわり&ほわり「どっちが素敵かをあなたに決めて欲しいのよ!」
2人がここまで言うのには、何か訳があるのかもしれません。
「どうしてどっちかに決めなくちゃいけないの?」
こはなちゃんんは2人に聞いてみました。
ふわり「だって、今まで森のくまさんやお空に浮かぶ雲さんは、
わたしの歌が素敵って9人が言ってくれたの!」
ほわり「でも、あなぐらのうさぎさんや春風さんは、
わたしのダンスが素敵って9人が言ってくれたわ!」
ふわり&ほわり
「次に会ったあなたがた決めてくれたら、
どっちのがより素敵か決まるのよ!!
いつも間違えられたり、どっちも一緒って言われることが悲しかったの。
ふわりは歌うことが得意で、ほわりはダンスが得意で、
ちっとも一緒じゃないのに・・・・
みんなは全然見てくれないの。
だから、ちゃんと わたし・わたしを見て欲しかったの!!」
叫ぶように言いました。
そっか・・・
わたしは、みんなとは違うって仲間に入れてもらえなくて悲しかったけれど
ふわりとほわりは自分自身を見てもらえなくて
寂しくて悲しい気持ちになっていたのね。
♪♪ ふわりゆられてふわふわり~
ゆらりゆられてほわほわり~
愛の花咲くこの日から
夢が繋がるこの日まで
心ひろがるこの気持ち
愛を伝えるあなたまで
ふわりゆられてふわふわり~
ゆらりゆられてほわほわり~ ♪♪
こはなちゃんは、2人の歌声とダンスで
元気になっていることを感じていました。
2人の前に立ったこはなちゃんは、笑顔で2人を見つめて言いました。
「わたしは、ふわりのやわらかくて、心があったかくなる歌が好き。
ほわりの見ていて心がウキウキするダンスが好き。
どっちのがいいじゃなくて・・・・
どちらも1番素敵なの。
2人一緒じゃなきゃダメなのよ。
それにね、わたし、2人を見ていて元気をもらったの。
あなた達が歌とダンスを見せてくれたおかげよ。
ふわり、ほわり、大好きよ!」
「どっちかだけがいいんじゃない。
どっちも1番素敵・・・・
その言葉が私たちはずっと聞きたかったんだわ。
こはなちゃんありがとう」
ふわりとほわりは、嬉しくなって
両側からこはなちゃんをぎゅっと抱きしめました。
すると、ぽんっと音がして
こはなちゃんの頭の花びらの1枚が青色に
1枚が藍色になりました。
「ふわりとほわりから幸せのおすそわけね。ありがとう。」
お日さまの赤色、ふわりの青色、ほわりの藍色に色づいた花弁を
こはなちゃんは、そっとなでました。
次はどんな色に色づくか楽しみになってきました。
個展
「虹がうまれた」
~私の小さなストーリー~
日時:11/14~28 10:30~19:00
(初日open13:00を予定)
場所:四谷三丁目のギャラリー
●おはなし会開催 詳細