【虹がうまれた】~私の小さなストーリー~
原案
(絵本仮題名)「こはなちゃんと虹の花」 ストーリー作家 のり
#7
夜になり、雨上がりの空に浮かぶお月さま。
でも、やっぱり少し元気がありません。
「お月さま、こんばんは。」
「こはなちゃん、こんばんは。」
こはなちゃんは、ひょいっとお月さまに乗っかりました。
「お月さま、わたしの頭のお花を見て欲しいの。
7枚花びらがあるでしょう?
落ち込んでいるわたしをお日さまが励ましてくれた。
ふわりとほわりって双子のお花が、わたしの気持ちをわかってくれた。
自信をなくしてたいもむしさんが自信を取り戻して
きれいなちょうちょさんになったの。
わたしを嫌っていたみつばくんが、本当の私を見てくれた。
みんなに触れて1枚1枚色づいていった。
赤色・青色・藍色・オレンジ色・紫色・・・
みんなの優しさや大好きが詰まっているの。
まだ1枚色がないんだけど、どんな色が素敵だと思う?」
「どうだろう、どんな色でもこはなちゃんに似合いそうだね。」
お月さまにさらに寄るこはなちゃん。
「わたしね、なりたい色があるの。
それはね、お月さまと同じ黄色。
黄色に色づけば、お月さまが見たいって言ってた
7色の”虹”の色と同じになるのよ。
わたしね、お月さまに虹を見せてあげたいの。
ちょうちょさんが、雨上がりには夜でも虹がかかるって教えてくれたの。
きっと、お月さまも虹が見られるわ・・・」
「こはなちゃんは優しいのね。見られたらどんなに嬉しいだろう。」
こはなちゃんのまっすぐお月さまを想う気持ちに
お月さまの心はほわっとあたたかくなりました。
すると、その瞬間、
こはなちゃんの最後の花びらがお月さまと同じ黄色に色づきました。
「見て!見て!お月さま! これが7色の虹の色よ!」
興奮したこはなちゃんは
「あっ」
お月さまから落ちそうになりました。
なんとお月さまから7色の虹が伸びていきました。
「わぁ~きれい」
こはなちゃんはその虹の橋を滑り台のようにゆっくり降りて行きました。
「お月さま、夢が叶ってよかったね」
お月さまにもこはなちゃんにも満天の笑顔が咲きました。
お月さまの涙じゃない、
満面の笑顔が見られて本当によかったね、こはなちゃん。
あきらめて目を背けたら、何も見えてこない。
でも、こはなちゃんのようにまっすぐ信じて夢を見続けたら
本気の願いは、きっと叶うから。
世界はそう決まってる。
あきらめないで。
こはなちゃんの虹色のお花のように
みんな1人として同じ色なんてない。
色々な人に出会って、色々な人の気持ちを知り
みんな自分だけの「自分色」になっていく
この世には、誰一人として同じ人はいない
それはあなただって同じ
みんな違ってそれでいい
”人と違うからダメ”、”人と同じだからいい”なんて
最初からないんだよ
あなたの色は何色ですか
大切にしたい色は何色ですか
あなただから愛してる
どうか忘れないで、わたしがいることを
END
個展
「虹がうまれた」
~私の小さなストーリー~
日時:11/14~28 10:30~19:00
(初日open13:00を予定)
場所:四谷三丁目のギャラリー
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