【11月個展】ストーリー#4

 【虹がうまれた】~私の小さなストーリー~

原案
(絵本仮題名)「こはなちゃんと虹の花」 ストーリー作家 のり

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#4

夜になりました。

今日は、色々なことがあったこはなちゃん。
どうやら疲れてしまったようです。

「眠くなってきちゃった。おうちに帰ろう。」

おうちに向かって一本道を歩いていると
お空にいるお月さまが、ため息をついているのが見えました。

「お月さま、こんばんは。
 どうしたの?なんだか元気がないみたい。」

「こはなちゃん、こんばんは。
 わたしはね、いつもいつも暗い夜空に1人だけ。
 みんな夜になれば眠くなってしまうし、友達を言えば時々鳴くふくろうだけ。
 そう思ったら寂しくなってしまって・・・・」

寂しそうにつぶやくとお月さま。

お月さまの涙が零れ落ちると、星となって夜空に輝きます。

「お月さまも寂しくなることがあるのね。
 でもね、お月さまが夜、眠っているみんなを見守ってくれるから
 わたしたちは、安心して夢が見られるの。
 お月さま、わたしも友達がいなくて寂しいの。
 お月さまの気持ちよくわかるわ。
 だから泣かないで。
 わたしと友達になってほしいの。」

こはなちゃんは、精一杯明るく言いました。

「こはなちゃんが友達になってくれたら嬉しいけれど
 夜はゆっくり休まなきゃ、いい夢が見られないよ。
 そう・・・夢ね。
 きっと眠っているみんなは楽しい夢を見ているのだろうね。
 わたしも見てみたい夢があるんだよ。
 絶対に叶うことなんてないから、夢を見たいけど
 夜眠れない私はそれすら叶わない。」

「お月さまの夢ってなあに?」

お月さまは、またひとつそっとため息をついて

「一度でいいから虹を見てみたい。
 7色に光る綺麗な虹に橋。
 どんな色をしているんだろう。どんな風に光るんだろう。
空にどのようにかかるのだろう。
 わたしは、お日さまじゃないから見ることはできないのだけど・・・」

寂しそうなお月さまの横顔をじっと見つめるこはなちゃん。

友達になったお月さまの夢を叶えてあげたい。

どうしたらお月さまに虹を見せてあげられるのかな。

こはなちゃんは、どうかお月さまの夢がかないますようにとお祈りをして
黄色い三角屋根のおうちに帰って行きました。


 

 

個展
「虹がうまれた」
~私の小さなストーリー~

日時:11/14~28 10:30~19:00
(初日open13:00を予定)
場所:四谷三丁目のギャラリー

●おはなし会開催 詳細

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